データベースを扱う上で、「ロールバック」と「ロールフォワード」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
どちらも、データベースの状態を元に戻す操作ですが、その目的や方法は異なります。
この記事では、プログラミング初心者の方にもわかりやすく、ロールバックとロールフォワードの違いについて解説していきます。
ロールバックとは?
ロールバックとは、トランザクションが途中で失敗した場合に、データベースをトランザクション開始前の状態に戻す操作です。
例えば、銀行口座からお金を引き出して別の口座に振り込むという一連の処理をトランザクションとします。この処理中にエラーが発生し、お金が引き出せてしまったけど、振り込みが失敗してしまった場合、ロールバックによって、引き出したお金を元の口座に戻し、トランザクション開始前の状態に戻します。
ロールバックの目的
- データの整合性を保つ: トランザクションが途中で失敗した場合、データベースに不完全なデータが残ってしまうのを防ぎます。
- エラーからの回復: トランザクションの失敗によって生じたエラーを修正します。
ロールフォワードとは?
ロールフォワードとは、システム障害などでデータが失われた場合に、バックアップからデータを復元し、失われたトランザクションを再実行することで、システムを元の状態に戻す操作です。
例えば、データベースがクラッシュしてデータが失われてしまった場合、最新のバックアップからデータを復元し、クラッシュが発生する前の最後のコミット以降のトランザクションを再実行することで、システムを復旧させます。
ロールフォワードの目的
- データの復旧: システム障害などで失われたデータを復元します。
- システムの復旧: システムを元の状態に戻し、業務を再開できるようにします。
ロールバックとロールフォワードの違い
特徴 | ロールバック | ロールフォワード |
---|---|---|
目的 | トランザクションの失敗時の処理 | システム障害からの復旧 |
対象 | 現在のトランザクション | バックアップとトランザクションログ |
処理 | トランザクション開始前の状態に戻す | バックアップから復元し、トランザクションを再実行 |
まとめ
ロールバックとロールフォワードは、どちらもデータベースの状態を元に戻す操作ですが、その目的や対象が異なります。
ロールバックは、トランザクションの失敗時に、トランザクション開始前の状態に戻すことで、データの整合性を保ちます。
一方、ロールフォワードは、システム障害が発生した場合に、バックアップからデータを復元し、失われたトランザクションを再実行することで、システムを復旧させます。
さらに詳しく知りたい方へ
- トランザクションログ: トランザクションの変更内容を記録したログファイル。ロールフォワードで利用されます。
- チェックポイント: 一定間隔でデータベースの状態を記録する仕組み。ロールフォワードの効率化に役立ちます。
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