【Java入門】変数と定数の使い方を初心者向けにわかりやすく解説

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はじめに

変数と定数を理解することの大切さ

プログラミングを始めたばかりのとき、「変数」と「定数」という言葉が出てきて混乱したことはありませんか?

  • 「変数ってそもそも何を変えるの?」
  • 「定数って難しそう、使わなくてもいいんじゃない?」

最初はそう思うかもしれません。
でも実は、この 「変数」と「定数」 を正しく使い分けられるようになると、コードがグッと読みやすく、そしてミスが減るんです。

たとえば料理をイメージしてください。

  • 変数は「今日の食材」。毎回違うものを使えます。
  • 定数は「塩の小さじ1杯」みたいに、レシピで決まっている動かせないルール。

この違いを理解することで、「ここは変えてOK」「ここは絶対変えちゃダメ」という線引きができるようになります。
結果として、コードの意味がハッキリして、自分でも後から読みやすいし、他の人にも伝わりやすくなるのです。


初心者がつまずきやすいポイント

プログラミングを始めたばかりの方が、変数と定数でよく混乱するポイントはいくつかあります。

  1. 「変数=自由に使えるメモ帳」だと思ってしまう
    → 確かに変数は自由に値を変えられますが、「途中で値が変わること」によって思わぬバグが生まれることがあります。
  2. 定数を「ただの特別な変数」と思ってしまう
    → 定数は「変えられない値」であり、役割は変数とは全く違います。税率や円周率のように「ずっと同じ数字」を扱うときに使うものです。
  3. 定数を使わず、全部変数で済ませてしまう
    → 最初はこれでも動くのですが、プログラムが大きくなるほど「ここは変えちゃダメな値」が変わってしまい、エラーや不具合の原因になります。

つまり、変数と定数の違いを意識しないと、プログラムが 「自分でも意味がわからなくなる」 という状態に陥りやすいのです。


変数とは?

変数の基本概念

変数は、プログラムの中で 「値を入れておく箱」 のようなものです。
箱には名前を付けることができて、その名前を使えば中身を自由に出し入れできます。

たとえば、次のように書くとします。

int age = 20;

この場合、age という名前の箱に「20」という数値を入れた、というイメージです。
あとから中身を入れ替えることもできます。

age = 25;  // 変数ageの中身を25に変更

使い方の例

  • 買い物カゴの合計金額
  • ゲームのスコア
  • 入力フォームに入力された名前

こういった「状況によって変わるもの」を扱うときに変数を使います。

よくある誤解:「変数はずっと同じ値を持つ?」

初心者の方がよく勘違いするのは、「変数に入れた値はずっと固定される」と思ってしまうことです。
でも実際は、変数は上書きできるので、入れた値がずっと同じとは限りません。


定数とは?

final を使った定数の定義方法

定数とは、一度決めたら変えられない値 のことです。
Javaでは final というキーワードを使って定数を定義します。

final double PI = 3.14159;

この例では、PI という名前に「3.14159」を入れました。
final がついているので、あとから PI = 3.14; のように書き換えようとするとエラーになります。


定数を使うメリット

定数を使うと、次のようなメリットがあります。

  1. わかりやすい
    3.14159 と書くよりも PI と書いた方が「円周率のことだ」とすぐにわかります。
  2. 安全に使える
    → 値を間違って変更できないので、プログラムのバグを防げます。
  3. 管理しやすい
    → もし消費税率を定数にしておけば、税率が変わったときに定義している場所だけ直せばよく、あちこちのコードを探して修正する必要がありません。

実際の例

  • 円周率 PI
  • 消費税率 TAX_RATE
  • 最大スコア MAX_SCORE

このように、「変わらない値」を扱うときに定数を使うのが基本です。


変数と定数の違いを比較

値を変更できるかどうか

  • 変数 … 値をあとから自由に変更できる
  • 定数 … 一度決めたら変更できない

「箱のフタが開いていて、中身を入れ替えられるかどうか」の違いだと考えるとわかりやすいです。


命名規則

Javaの世界では、変数と定数の名前の付け方にも「お約束」があります。

  • 変数 … 小文字で始める(例:age, score
  • 定数 … 大文字+アンダースコアで書く(例:PI, TAX_RATE

こうして区別しておくと、コードを読んだ人が「これは変えていい値なのか、ダメなのか」をすぐに判断できます。


使い分けの目安

  • 変数を使うとき
    → ユーザーの入力やゲームのスコアのように「状況で変わる値」
  • 定数を使うとき
    → 円周率、消費税率、最大人数のように「ルールとして決まっている値」

初心者がやりがちな間違い

1. final をつけ忘れてしまう

本当は「定数」として使いたいのに、final を書き忘れて「ただの変数」になってしまうことがあります。
すると、後から値が書き換えられてしまい、思わぬエラーや計算間違いにつながります。


2. 定数の名前を小文字で書いてしまう

定数は「大文字+アンダースコア」で書くのが慣例ですが、初心者のうちは普通に小文字で書いてしまうことが多いです。

final double pi = 3.14159;  // 小文字だと変数っぽく見えてしまう

この場合でも動作はしますが、他の人が読んだときに「これ定数?」とわかりにくいので注意しましょう。


3. 値を再代入しようとしてエラーになる

定数は一度決めたら変更できません。
なのに、間違えて次のように書くとエラーになります。

final int MAX_SCORE = 100;
MAX_SCORE = 120;  // エラー!定数は変更できない

これはJavaが「変えちゃダメだよ」と教えてくれているサインです。


実践例:変数と定数を使い分けてみよう

ここまで「変数」と「定数」の違いを学んできました。
実際にどんなときに使い分けるのか、サンプルコードを見てみましょう。

例:商品価格と消費税率を計算するプログラム

public class PriceCalculator {
    public static void main(String[] args) {
        int price = 1000;                // 商品価格(変数)
        final double TAX_RATE = 0.1;     // 消費税率(定数)

        double total = price + (price * TAX_RATE);

        System.out.println("合計金額は " + total + " 円です。");
    }
}

ポイント解説

  • price は商品の値段なので、その時々で変わります。だから 変数 を使います。
  • TAX_RATE は消費税率。基本的に途中で勝手に変わることはありません。だから 定数 を使います。

実行結果(例)

合計金額は 1100.0 円です。

このように「どこは変わる?」「どこは絶対に変えない?」と考えると、自然に変数と定数を使い分けられるようになります。


まとめ

今回は「変数」と「定数」の違いについて解説しました。

  • 変数 … 値を自由に入れ替えられる「箱」
  • 定数 … 一度決めたら変えられない「決まりごと」

変数はユーザーの入力やスコアのように 状況で変わるもの に使い、
定数は円周率や消費税率のように 変わらないルール に使います。

特に初心者がやりがちなのは、定数を使わずに全部変数で済ませてしまうこと。
小さなプログラムなら動きますが、プログラムが大きくなると「ここは変えちゃダメなのに変わった!」というトラブルが増えてしまいます。

これからプログラミングを学んでいく中で、
「この値は本当に変わるのか?それとも変えちゃいけないのか?」
と考えながらコードを書くと、よりわかりやすく安全なプログラムを作れるようになります。

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