SQLで複数のテーブルやクエリの結果を結合する方法はいくつかありますが、代表的なものとして UNION と JOIN が挙げられます。
これらはどちらもデータを結合するという点で共通していますが、その目的と使い方は大きく異なります。
この記事では、UNION と JOIN の違いを明確にし、それぞれの適切な使い分けについて解説します。
UNION：縦方向の結合
UNION は、複数の SELECT 文の結果セットを縦方向に結合するために使用されます。つまり、結果セットの行を単純に追加していくイメージです。
UNIONの特徴
- 行の追加: 異なるテーブルやクエリから取得した行を、結果セットに追加します。
- 重複の排除: デフォルトでは、重複する行を結果セットから自動的に削除します。
- カラムの一致: 結合する
SELECT文のカラム数とデータ型は一致している必要があります。
UNIONが適しているケース
- 異なるテーブルに格納された類似のデータを統合したい場合
- 複数の条件で抽出したデータをまとめて表示したい場合
- 重複を排除したユニークなリストを作成したい場合
JOIN：横方向の結合
JOIN は、複数のテーブルの関連する行を横方向に結合するために使用されます。つまり、共通のカラム（キー）に基づいて、複数のテーブルの行を組み合わせた新しいテーブルを作成します。
JOINの特徴
- テーブルの結合: 複数のテーブルを関連するカラムに基づいて結合します。
- 行の組み合わせ: 結合条件に一致する行を組み合わせた新しい行を作成します。
- 様々な種類:
INNER JOIN、LEFT JOIN、RIGHT JOIN、FULL OUTER JOINなど、様々な種類の結合があります。
JOINが適しているケース
- 複数のテーブルに分散している関連データを組み合わせて表示したい場合
- 特定の条件に基づいて、関連するテーブルからデータを抽出したい場合
- 複数のテーブルにまたがる情報を分析したい場合
UNIONとJOINの使い分け
| 特徴 | UNION | JOIN |
| 結合方向 | 縦方向（行の追加） | 横方向（列の追加） |
| 対象 | 複数の SELECT 文の結果セット | 複数のテーブル |
| 目的 | 異なるデータソースの統合 | 関連データの組み合わせ |
| 重複 | デフォルトで排除 | 結合の種類による |
まとめ
UNION と JOIN は、データの結合という共通の目的を持ちながら、その方法と結果は大きく異なります。
UNIONは、異なるデータソースの行を統合し、重複を排除したい場合に適しています。JOINは、関連するテーブルの行を組み合わせて、より詳細な情報を取得したい場合に適しています。
データの性質と目的に応じて、適切な結合方法を選択することが重要です。
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